1/6 PAGES
2/6 PAGES
3/6 PAGES
4/6 PAGES
5/6 PAGES
「交渉者として正しくあるべきだ」という姿勢は、他の可能性に対してオープンになれないとか、交渉中に突然出現したチャンスに気づかないといった事態をまねきかねないのである。
[ヒューリスティックス]
バイアスに関連するものとして最後に述べておきたいのが、ヒューリスティックスだ。これは人生を生きる助けとなるために生み出された、言ってみれば精神的近道(メンタルショートカット)だ。
ヒューリスティックスは非常に有益なツールだが、問題がないわけではない。人生で起きる多くのことは一見似たようなものに見えるが、もっと深く見てみると、実はまったく異なっていることがある。
たとえば、カモに似たものがカモのような声で鳴いたとき、それはカモかもしれないが、よく調べたら実はカモノハシだったとわかるようなものだ。(60ページより)
私たちは生まれつき損をするのが嫌
では、交渉におけるヒューリスティックスとはどういうものだろうか。このことに触れるにあたり、著者は“反射的逆評価”として知られるバイアスを引き合いに出している。「交渉相手から提案された意見を過小評価しがち」だというバイアスだ。相手の意見に否定的な見解を持っている場合は、特にそれが強くなる。
つまりこのバイアスは、相手の意見のなかにある長所を十分に考慮せず、反射的に拒絶するというヒューリスティックス(心理的手続き)を植えつけるのである。
私たちは生まれつき損をするのを嫌がる。これも、失敗から学びを得られない理由と言える。ディシジョンラボによれば“損失嫌悪は認知バイアスの一種で、失う苦しみは得る喜びより心理的に2倍強く感じられると言われる理由を説明するもの”だ。
損失嫌悪の起源は、私たちの祖先が外部の脅威からつねに身を守らなければならなかった時代にさかのぼる。その時代に“失う”ことが命の終わりを意味したのなら、どんな犠牲を払ってもそれを回避しようとしたはずだ。
とはいえ、損をするのは絶対に嫌だと思うことで、最善の決定ができないマインドセットに陥ってしまう。なんとしてでも失敗やリスクを避けようとするからだ。(62~63ページより)
6/6 PAGES
※ログイン後、コメント入力が可能です。