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損をしたくないという気持ちは、それほどに激しい。そのため、このマインドセットが、経験から学びを得ることを妨げるのだ。「その状況で合理的にできることは他になかった」と信じてしまうからである。
交渉という視点で見ると、損失嫌悪という習性のせいで、好機を逸したり、不必要に懐疑的になったり、一連の行動が失敗へと向かっていてもそれを認められなかったりする。(63ページより)
したがって、このバイアスに気づかなければならないのである。
枠組みがないから学べない
失敗から学びを得られない最後の理由は、「そのための枠組みがないこと」。失敗の責任に注目するのではなく、そこから得られる教訓に注目する枠組みだという。
交渉の分野で活躍している私の研究仲間と、よくこの話をする。人質解放交渉の担当者に失敗からどうやって学びを得たのかと尋ねたときは、「考えてみると、そのための系統だったアプローチはないわね。でもこうして話してみて、それが必要だとわかったわ!」と声を大にした。
交渉者はそれぞれ、自分の失敗から自分なりの方法で学んでいると思うが、広く受け入れられている確立した手順は存在しない。交渉学の分野が成長し、各人がどのように交渉力を改善していくかを知るには、そうした手順はきわめて重要だ。(63~64ページより)
価値のあるプロセスは、ある一定レベルに達するまでの道のりを示してくれるものだと著者はいう。そこまで進んだのなら、その教えとの共通点や差異を意識しながら、各自の置かれた状況に合わせてカスタマイズしたり、自己流に調整したりすればいいのだと。
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