愛好家の活動も盛んで、パリ郊外で数日間にわたって開催される日本文化の祭典「JAPAN EXPO」は、欧州最大規模を誇る。来場者数は00年の初回から順調に伸び、20年代以降は毎回、20万人を超えるにぎわいを見せている。
そしてフランスでの日本漫画・アニメは、個人や民間で楽しむエンタメの範疇を超え、文化芸術としても評価されている。
その好例が、25年秋から26年春にかけて、パリの国立ギメ東洋美術館で開催された日本漫画展「漫画はアートだ!(Manga. Tout un art!)」。
館内に日本漫画をテーマにした3つの企画展を同時開催し、漫画の歴史を平安時代の絵巻物までさかのぼって浮世絵、紙芝居、戦中戦後から現代とたどり、丹念に見せた。日本の作家や出版社から貸与された原画の充実度も大きな話題と評判を呼び、当美術館の企画展での来場者記録を更新している。
以前は日本アニメの視聴を禁止する家庭も…
このようにフランスで漫画・アニメがエンタメとして定着し、かつ文化芸術としても敬意を払われている背景には、その普及の経緯がある。
日本の漫画がフランスに初めて上陸したのは1960年代と言われるが、飛躍的に広がったのは90年代。
民放の一つTF1局がティーンエイジャー向けのカルチャー番組『クラブ・ドロテ』内で日本アニメを放送し、絶大な人気を誇った。特に『聖闘士星矢』(車田正美)や『北斗の拳』(武論尊・原哲夫)、『シティハンター』(北条司)、『ドラゴンボール』などの少年・青年漫画を原作とするアニメは、この番組から原作コミックスの人気にも火がついた。
その一方で、保護者たちの反応は芳しくなく、日本アニメの視聴を禁止する家庭もあった。当時フランスの子ども向けのエンタメ作品では、日本の漫画の格闘シーンに現れるような暴力描写は、タブーとされていたからだ。


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