さらに興味深いのは、同じ調査内で取り上げられた「違法配信サイトの閲覧」に関する数字だ。
回答者の4人に1人が「違法サイトで漫画・アニメを消費したことがある」と答え、漫画・アニメそれぞれの消費者の約半分が、違法サイト使用経験を明かした。この現象は「正規の流通だけでは満たしきれないほど、高い関心と需要がある」と解釈されている。
日本の出版業界ではフランスの漫画・アニメ人気は把握されており、例えば24年にKADOKAWAがフランス企業との合弁事業(ヴェガ社)を立ち上げた際には、リリースに「フランスは日本に次ぐ世界第2の漫画市場を持つ」とうたわれた。
図書館にも日本の漫画が充実
パリ郊外で中高生の2人の息子を育てる筆者は、このようなフランスの漫画愛を示す実例を、いくつも体験し、目撃している。
身近なところでは、小中学生の誕生日プレゼント。希望を尋ねると、漫画をリクエストされることは少なくない。「〇〇のX巻までは持っているから、その先の巻をお願い!」という具合だ。
本好きが集う書店や図書館でも、日本の漫画・アニメは存在感を発揮している。フランスで最も権威のある国立図書館リシュリュー館には、瀟洒なメイン閲覧室「楕円の間」に日本漫画の書架がある。
地域の文化拠点である市立図書館にも漫画が置かれているが、ただ「あるものを並べる」だけではなく、年齢別やタイプ別に書架が構成されている。
筆者がこれまで見てきた範囲では、どの書店でも図書館でも、子ども向けには『ジャンプ』や『マガジン』掲載の少年漫画が充実し、『ONE PIECE』や『名探偵コナン』などの長寿作品は、最新刊の入荷があると予約待ちとなる。
大人向けには谷口ジロー、松本大洋、浦沢直樹の人気が高く、平田弘史の時代劇、伊藤潤二のホラー作品、大和和紀の歴史絵巻『あさきゆめみし』などが並ぶ。
筆者の在住市の図書館では、中央アジアの人間模様と暮らしを描く『乙嫁語り』(森薫)や、ゲイ男性のホームドラマ『弟の夫』(田亀源五郎)など、多彩な作品が書架を飾る。


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