漫画家・鳥山明氏の『ドラゴンボール』は、シリーズ累計発行部数が全世界で2億を優に超える超人気作品。アニメやゲームの展開でもビッグビジネスになっている。
お膝元の日本では世代を超えたファンが多く、この報道に「なぜ日本ではなく、フランスで」と嘆く反応も多く見られている。
しかし25年以上フランスに住み、幼少期から漫画を愛読してきた筆者には、「なぜフランス」の思いはない。むしろ「フランスなら」と納得感がある。
その理由は2つ。フランス社会に広がる漫画愛と、その漫画愛を大切に抱く人々の存在だ。
年間販売部数3600万超、世界第2の漫画消費国
まずは、フランス社会でどのように漫画・アニメが愛され普及しているかを、データとファクトでご紹介しよう。
フランス視聴覚・デジタル通信規制局Arcom*は2025年、「フランスにおける漫画とアニメの成功:現状と今後の展開」と題した調査資料を公開している。
* 視聴覚・デジタルメディアにおける著作権・表現の自由や未成年の保護を担う監督・規制組織
このような資料がフランスの公的機関から発せられていること自体、当地での漫画・アニメの普及度を物語っているが、その内容を見ると、フランス社会での漫画・アニメ愛がさらに理解できる。
24年に15歳以上・2421人のフランス在住者に行ったヒアリング調査では、うち42%が「漫画・アニメの消費者である」と回答。アニメの消費者には日本アニメ専門局のサブスク契約者も多く、アニメ関連市場は6500万〜9000万ユーロ規模(120億〜166億円)と見込まれている。
日本漫画の消費はコロナ禍の21年に急成長して3億ユーロ(500億円前後)規模に達し、24年の販売部数は3600万部。その大半は紙のコミックスだ。フランス文芸出版市場の11%を占め、5番目に売上額の多いカテゴリーとなった。


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