もちろん、学校に行かないことが正解だと言いたいわけではありません。
けれど、子どもが学校から距離を取ろうとしている時、その行動は、自分を壊さないための調整行動として現れている場合もあるのです。
親の役割は「学校に戻すこと」だけではない
子どもが学校に行けなくなると、親御さんは焦ります。
「このままでいいのだろうか」「勉強が遅れるのではないか」
「将来、困るのではないか」「早く戻したほうがいいのではないか」
その不安は当然です。
けれど、子どもが強い不安やストレスの中にいる時、親がすぐに解決策を出そうとすると、かえって子どもの心が閉じてしまうことがあります。
「学校に行かないと困るよ」「みんな頑張っているよ」
「一日だけ行ってみよう」「先生も待っているよ」
親としては励ましているつもりでも、子どもの脳には「わかってもらえない」「また行かされる」と届いてしまうことがあります。
では、親は何をすればいいのでしょうか。
まず必要なのは、学校に戻すことだけを急ぐのではなく、子どもの脳がもう一度動き出すための条件を一緒に見つけることです。
不登校の子にとって大事なのは、「行かないことを許す」だけではありません。
脳の発達という視点で見るなら、大事なのは、困った状態に巻き込まれたまま固まるのではなく、そこから抜け出すための新しい行動の方略を見つけていくことです。
何が負荷になっているのか。
どの場面で脳が止まりやすいのか。どんな環境なら少し動けるのか。
どんな一歩なら試せるのか。それを親子で見つけていく。
これは、単に「気持ちを受け止める」という心理的な話だけではありません。
子どもが自分の状態を知り、困った時に別の方法を試し、環境に適応していく力を育てることです。


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