子どもたちは日々、膨大なエネルギーを消費しています。授業に集中する、友達との関係で気を遣う、先生や親の期待に応えようとする、理不尽な場面で感情をこらえる。
これらはスマホで言えば、アプリです。何個も同時に起動していれば、バッテリーは驚くほど早く減っていきます。
通常であれば、帰宅後にリラックスしたり好きなことに没頭したりすれば、チャージされ、翌朝にはエネルギーが回復します。
しかし、登校しぶりに陥る子どもは、この「消費」と「回復」のバランスが完全に崩れています。学校での人間関係や繊細な気質によるバッテリーの消費が激しすぎる一方で、家庭でも「早く行きなさい」と追い詰められたり、行けない自分を責めたりして、回復の時間すら奪われるとしたら、チャージどころか、さらにバッテリーは枯渇します。
この状態が続くと、スマホのバッテリーが劣化するのと同じように、心の最大容量そのものが縮んでいき、充電そのものを受け付けない「深刻な放電状態」に陥ります。
20%を切った子どもは「省電力モード」に入っている
スマホは充電が20%を切ると省電力モードへの切り替えを促され、多くの機能が制限されます。子どもの心もまったく同じです。
エネルギーが20%を下回ると、身体が「防衛本能」を発動させます。朝起きられない、体が動かない、表情が消える。ご相談の息子さんの状態は、まさにこれです。
このとき「頑張れ」と励ますことは、バッテリー切れのスマホに向かって「動画を再生しろ」と命じるようなものです。気合いでどうにかなる段階ではありません。まず、この認識を持つことがスタートラインです。
「少し元気になってきた」。親にとって最も嬉しいこの瞬間が、実は最も危険なタイミングです。
家で休んでいるうちに、少し顔色がよくなってくることがあります。会話も増え、バッテリーが50%程度まで回復したように見えます。すると親は期待して「今日は元気そうだね、1時間目だけでも行ってみない?」と声をかけたくなります。
しかし、これが大きな落とし穴です。50%の充電では、学校という「超・高負荷なアプリ」をいくつも動かし続けることはできません。無理に登校させても午前中でエネルギーを使い果たし、帰宅後は出発前より深く放電してしまっています。


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