貸付料は30年間定額である。貸付料は新幹線を整備した場合の収益(収入―費用)と新幹線を整備しない場合におけるJRの収益の差額を、鉄道事業者の「受益」として、受益の範囲で決めている。貸付料は開業後30年間の受益を平均して算出し、受益には新幹線の収益のほか、新幹線整備によって影響を受ける在来線の収益や駅構内における売店や広告の収益も含まれる。
こうした算出方式はWith-Without方式と呼ばれ、高速道路など公共事業の評価で用いられている。貸付料の額は鉄道・運輸機構が国土交通省に認可申請を行い、国交省と財務省が協議をして決定することになっているが、JRも協議に加わっている。「貸付料の額を少しでも高くしたい国と少しでも減らしたいJRの間で突っ込んだ議論が行われている」。こんな話を、JRの幹部から聞いたことがある。
「第2の国鉄を作らない」貸付料の仕組み
現在までに開業した線区の貸付料は、例えば1997年に開業した北陸新幹線(高崎―長野間)が175億円、2002年に開業した東北新幹線盛岡―八戸間が79.3億円、もっとも新しい2024年開業の北陸新幹線(金沢―敦賀間)が93億円などとなっている。

線区の事業費と貸付料は必ずしも比例関係にはない。たとえば北陸新幹線(高崎―長野間)の貸付料は事業費の2.1%だが、北海道新幹線(新青森―新函館北斗間)は0.01%しかない。旅客数が少ないことが予想され、JR北海道が得られる受益が少ないと見込まれているためだ。
このように受益が少ない線区ではそれに応じて貸付料を決め、JRの負担が増えないようにしているのが、「第2の国鉄を作らない」という趣旨である。

