一方、小学生の硬式野球はさらに減少が激しい。小学生の硬式野球は、老舗のリトルリーグが大部分だ。軟式野球のないアメリカではリトルリーグが「エントリーリーグ」になっているが、軟式野球がある日本では、いきなり硬式野球というのは敷居が高いようだ。ただ、ポニーリーグ傘下のブロンコリーグは数は少ないが、数字を伸ばしている。
中学は、5団体が足並みをそろえて数字を伸ばしているわけではない。選手数でいえば、ボーイズが7.9%、リトルシニアが2.2%、ヤングリーグが18.4%増加した一方、九州のフレッシュリーグは45.2%減と大きく減っている。ただ、ポニーリーグだけは138.3%増。10年前は選手数1,783人だったが、25年は4,249人にまで増えている。端的に言えば、中学では他の団体が「横ばい」「微増」なのに対して、ポニーリーグだけが選手数を激増させているのだ。
筆者はこのコラムで、中学硬式野球の趨勢について何度か紹介してきた。その中でポニーリーグの特色についても紹介してきた。ポニーリーグは、
- リエントリー制(一度ベンチに下がった選手がもう一度出場できる)
- ベンチメンバー全員出場(原則として)
- リーグ戦中心
- 球数制限(今は全団体が行っているが、当初はポニーだけ)
- スパルタ指導の排除
など、他の団体とは一線を画するルールを敷いていた。圧倒的な選手数の増加は、こうした「差別化」が大きいと思われるが、ポニーリーグ自体はどんな施策を行ってきたのか。ポニーリーグを統括する那須勇元事務総長に話を聞いた。
「選手が一人だけでもいい」というハードルの低さ
「大きいのは入りやすさではないでしょうか。専用グラウンドを持っていなくてもいい。選手が一人だけでもいいというハードルの低さがあると思います。ポニーを信じて入ってくださるのであれば、たった1人でも合同チームを作るなど、連盟がしっかりバックアップをします。
二つ目に、リエントリー制など、ポニーが創設時から持っていた理念なり制度というのが受け入れられたのだと思います。そして3つ目に『実力によるグループ分け』ではないかと思います。
コロナ以降の新しい施策ですが、関東では春秋の大会をAリーグとBリーグに分けたんです。野球の世界も多様化していますから、競技性を重視して甲子園を狙うチームから、『うちは土日の半日しか練習しません』と愉しむことを中心としたチームもある。中学部活の地域移行でできたチームもある。これを一緒くたにすると30対0みたいな試合ばかりになって、選手も楽しくない。だとすれば、競技性高くやりたいチームはAリーグ、野球初心者や部活代替などのチームはBリーグと分けたんです」


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