かつて、日本は世界の新薬の約3割を創出する「創薬大国」だった。しかし近年、グローバルな医薬品市場における存在感は縮小の一途をたどっている。市場規模だけでなく、新規有効成分数においてもアメリカ、そして台頭する中国の後塵を拝するようになった。開発パイプラインもしかりで、アメリカが35%、中国32%に対し、日本は約4%まで低下した。

本稿で示したいのは、この状況から日本企業がいかにして形勢逆転するか、ではない。現代の創薬では、1つの企業、1つの国の中だけで研究から発売までを完結させる必要はなくなっている。アメリカにボストンや西海岸の創薬開発拠点があるように、中国国内には北京・上海・深圳・蘇州など複数の創薬拠点が形成されている。この高度な創薬拠点に加え、グローバルに創薬プロセスが機能分担されたネットワークとして創薬バリューチェーンが形成されている。重要なのは日本がグローバル創薬バリューチェーンの1つに選ばれ続けることだ。どうすればよいか――。
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