■周りからの励ましについて
周りの人が「話したほうが楽になるよ」などと励ますことについて、白川さんは「安心できる環境のもと、よい関係性のなかで体験を語ることは、回復につながる可能性もあるものの、無理に話を聞こうとする善意が、かえって強い苦痛を呼び起こしたり、新たな傷つきを生んだりすることもあります」と注意を呼びかける。
再トラウマを防ぐアプローチ
■トラウマインフォームドケアとは
そうしたなか、近年、医療や福祉、教育の現場で広がっているのが、「トラウマインフォームドケア」という考え方だという。
これは、トラウマが人に及ぼす影響を理解し、「目の前の人にもトラウマ体験があるかもしれない」という可能性を念頭に置きながら、安全や信頼、本人の選択を重視して関わり、再トラウマ化を防ごうとするアプローチだ。
個々の支援者の関わり方だけでなく、組織の方針や制度、環境のあり方までを見直す点に特徴がある。その基本的な枠組みを示すものが、以下の「4つのR」だ。
①Realize(理解する):トラウマが心身や行動に及ぼす広範な影響と、回復が可能であることを理解する
②Recognize(認識・気づく):相手の怒り、引きこもり、投げやりな態度などの背後に、トラウマによる困りごとが隠れている可能性に気づく
③Respond(対応する):トラウマに関する知識を実際の関わりや支援、組織運営に活かす
④Resist Re-traumatization(再トラウマ化を防ぐ):批判や強制、本人の同意なく体験を他者に伝えることなどによって当事者をさらに傷つける二次被害(再トラウマ化)を防止する


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