そして2010年代後半から2020年代前半にかけて、この言葉は様々な「炎上」を介する形で一般化していきます。興味深いのは、性的消費が普及するやいなや、揶揄の対象として取り上げられるようになり、それ自体がその拡散に寄与したという点です。
登場当初から論争的に使用されてきた
たとえば、X(旧Twitter)や5ちゃんねる、あるいはYahoo!知恵袋といった著名なサイトのログを調べれば、性的消費に対し、揶揄含みの文脈で疑問を突きつける営みは2010年代中盤から数多く観測することができます。つまり、この言葉は登場当初から論争的であったのです。
このような状況を介して、2020年以降になると人文学・社会科学系の研究者や評論家の中で、一種の専門用語として用いられることはそれほど珍しくなくなっていき、性的消費それ自体が議論の前提となることも増えていきます4。
とはいえ、このことは、性的消費が何らかの知的権威を背景として、普及したということを意味しないでしょう。むしろ、この言葉は私たちが持つ何らかの違和感や不安を吐露する際に、便利な言葉として自生的に普及したと考えるのが妥当だと思われます。
もはや死語となりましたし、2026年現在からすると想像がつきにくいでしょうが、「マイクロブログ」として生を享けたTwitterが、この言葉がネット上で現れる中心地となりえたのは、この点が起因しているのではないでしょうか。



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