これにより消費者は、モバイルバッテリーを容量、充電速度、薄さ、端子数だけで比較するのではなく、安全性や寿命も購入条件に加えられるようになった。モバイルバッテリーが安価な消耗品から、長く使う生活インフラへ変わるきっかけになる可能性がある。
モバイルバッテリーの発火事故はなぜ起きるのか
モバイルバッテリーの発火事故が目立つようになった背景には、製品の普及がある。モバイルバッテリーの中身は、基本的にはスマートフォンにも使われるリチウムイオン電池である。スマートフォン、ワイヤレスイヤホン、携帯扇風機、電子たばこなど、今や身の回りにはリチウムイオン電池を内蔵した製品が増えている。NITE(製品評価技術基盤機構)によると、2021年から2025年までの5年間に同機構に報告されたリチウムイオン電池搭載製品の事故は2140件に上った。そして製品別ではモバイルバッテリーの事故が最も多い。
ここで、「リチウムイオン電池が危険なら、スマートフォンも同じように危険なのではないか」と考える人もいるだろう。もちろん、スマートフォンにもリスクはある。ただし、スマートフォンの内蔵電池は比較的小さく、硬い筐体の内部に固定されている。持ち歩く際に電池そのものが直接、圧迫や傷を受けにくい構造になっている。またスマートフォンは、充電制御回路や温度センサーを組み込み、過充電、過放電、異常な温度上昇を避ける設計も一般化されている。


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