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ライフ #カラスに蹴られるその日まで

街からゴミが消えて大ピンチ…人前で「猫缶で朝食」をたしなむカラスの、背に腹は代えられない"切実な台所事情"

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カラス 猫缶 地域猫
猫缶サイコー!(イラスト:タナカケンイチロウ)
  • 松原 始 動物行動学者、東京大学総合研究博物館・特任准教授
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5~6月は公園や街路樹のサクラが実をつけるが、カラスを含む多くの鳥がよく利用している。サクラが終わる頃になるとヤマモモ。これもマンションの植栽にしばしば使われるが、カラスが大好きな果実だ。

夏になるとセミやカナブン、キリギリス、バッタの類も食べる。夏から秋にはエノキの実も食べごろだ。

そして秋から冬にかけてはクスノキとナンキンハゼ。ナンキンハゼの実はカラカラに乾いていて、固い殻の内側にはやけに小さな種があるばかりだ。あまりおいしそうには思えないのだが、表面にワックス、すなわち油脂の層がある。これが高カロリーなのである。

昆虫以外の小動物ならザリガニやカエルも食べる。ヒキガエルは背中の皮膚から毒を分泌するので、これを食べる捕食者は少ないのだが、例外の一つがカラスだ。うまいことひっくり返して腹側から食べていき、背中の皮だけ残す。

カラスはどう考えても、人間由来の餌も食べているはず

とはいえ、こういった天然の餌は、都市部には多くないはずだ。もし果実や昆虫が多ければ、他の鳥だっていっぱいいるはずなのである。

山の中のカラスを調査してみると、その密度は都市部と比べて10分の1以下、どうかすると50分の1である。カラスが天然の餌に頼って生きる場合、自然豊かな山の中でさえ、それくらいの面積がいるのだろう。

もちろん街路樹は特定の種を集中的に植えるから、ある時期だけ資源量がドンと増える、ということはありうる。だが、カラスは1年中なにかしら食べる必要があるのだ。繁忙期だけ商売して1年分売り上げる、みたいなことはできない。

となると、市街地はカラスにとって、1年を通じて餌の豊富な環境だと考えざるをえない。やはり、人間由来の餌が重要だということになるだろう。

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