ただし、ある程度のレベルまで来ると、1分野だけ掘り続けても、それ以上は伸びにくくなる時期が来ます。そのとき効くのが、「分野を横断する」ことです。自分の専門外の分野の知識を、自分の専門に持ち込んでみるのです。すると、専門の中だけでは見えなかった発想や解き方が、急に湧いてくることがあります。
東大生に取材すると、彼らは「専門外」をやたらと勉強しています。理系の学生が、哲学や歴史の本を読んでいたりします。文系の学生が、数学やプログラミングを学んでいることもあります。一見、専門と関係ないように見える勉強が、あとになって専門の理解を深めるのです。
「専門外を1分野」、定期的に触れる
専門の中だけの知識同士をつなげても、結びつきは限定的です。しかし、まったく違う分野の知識と結びついた瞬間、新しい発想が生まれます。
経済学に物理学の視点を入れる。医学に統計学を入れる。ビジネスに歴史を入れる。分野を超えたつながりが、独創的な発想の源泉になります。
「専門の中だけに知識を閉じない」というのは、専門を捨てるという意味ではありません。専門を深めながら、別分野の風を入れる、ということです。
おすすめは、自分の専門と関係なさそうな分野を1つ選んで、定期的に触れることです。選び方は何でも構いません。書店をぶらぶら歩いて気になった棚、知人がよく話している分野、なんとなく避けてきたジャンル。本当に何でもいいでしょう。
月に1回だけでもいいので、専門外の本を読んだり、専門外の人と話したり。専門外の動画を見たりしてみるのです。
最初は「専門に関係ないな」と感じます。でも、半年、1年と続けていると、不思議なことが起きます。専門の分野で詰まったとき、専門外の本で読んだ話がヒントになる場面が増えてくるのです。「1分野の専門家」ではなく、「複数分野をつなげられる人」になることが、これからの時代の強みです。



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