見たところ、筆者を除いたお客のほぼ全員がワーカーのようだった。そこで効いてくるのが、デジタル上で具材を選択するシステムだ。
従来の量り売りでは、自分で具材をボウルに入れていくので時間がかかる。それが麻辣湯の楽しさでもあるが、急いで食事を済ませたいときはわずらわしく感じることもあるだろう。特に仕事の合間の昼休憩は、1分1秒が貴重だ。だらだらショーケースから自分で取るのではなく、タッチパネルやアプリでサクサク選ぶ方がニーズに合っている。
加えて、デジタル上の注文なら、あらかじめ値段がわかったうえで決済できる点も安心感がある。量り売りシステムは重さを量って初めて値段がわかるので、慣れていないと加減がわからずに具材を盛りすぎてしまい、後で値段にびっくりしてしまうのは麻辣湯の「初心者あるある」だ。
最近、同店に限らず、量り売りでない麻辣湯店はじわじわ増えている。麻辣湯の火付け役「七宝麻辣湯」も、飯田橋店ではモバイルオーダーでの注文になっている。麻辣湯が広がりつつある今、こうしたニーズは今後増えていくのかもしれない。
40代、50代男性が麻辣湯をすする光景
そして、もう一つ、多くの麻辣湯店との違いは、男性客が少なからずいることだ。多くの麻辣湯店では10代や20代の若い女性客が中心だが、バイウェイヌードルでは他と比べて男性も多く見受けられた。やはり女性客の方が多くはあるものの、40代、50代くらいの男性も麻辣湯をすすっている珍しい光景があった。
つまりバイウェイヌードルは、若い女性が中心だった麻辣湯を、オフィスワーカーのニーズに合わせて設計し直した店なのだ。
タピオカや高級食パンが、専門店の乱立とともに消えていったのに対し、麻辣湯はいま、業態そのものが用途に合わせて枝分かれしはじめている。同じ麻辣湯でも、想定する客も、食べる場面も違う。一過性のブームというより、定着の過程で起きる分化なのかもしれない。
ただ、サラダ専門店がわざわざ別業態でそれをやる理由は、店内を見ているだけでは見えてこない。後編では、クリスプ自身に開発の狙いを聞いた。


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