つまるところグローバリゼーション2.0は、「農耕を基盤とする社会システム」が言語(語族)とともに地球上に広がった過程と考えることができる。
ちなみにこの場合、(日本におけるいわゆる縄文・狩猟採集と弥生・稲作の関わりがそうであるように)農耕民と狩猟採集民との混合や在来文化との葛藤・融合も各地で生じることになった。
インド・ヨーロッパ語族の起源と拡散
ところで以上の「語族」ないし言語の拡散に関しては、興味深い話題が多い。
例えばヨーロッパやインド、イランなど、現在の世界において広範な地域に広がるインド・ヨーロッパ語族の起源ないし拡散について一言触れておこう。インド・ヨーロッパ語族のヨーロッパでの起源ないし移動については、大きく以下の二者がある。
②少し後の時期(紀元前3300~3000年頃)に、黒海・カスピ海北方のステップ草原から、牧畜や馬・車輪(チャリオット)などの技術とともにヨーロッパに入ったのが起源であるという説(ステップ仮説)
近年における古代DNA研究の大幅な進展により最近は②が有力になっている。②の見方を踏まえると、「農耕文明と(移動を主とする)牧畜文明の接触・競争・融合」が、後の都市文明・帝国・交易ネットワークを生み、最終的にグローバリゼーション2.5=普遍思想へ至る一つの背景になったという興味深い把握につながる(実際、枢軸時代の直前のユーラシアでは、農耕・都市・国家と牧畜・遊牧・草原世界が広範に接触していた)。
他方、インド・ヨーロッパ語族の別のグループは東に向かい、現在のインドやイランの地域に広がっていった。一般にインド史での「アーリア人の侵入」等と呼ばれる現象であり、これは(後のグローバリゼーション2.5において)仏教の源流となるとともに、イラン高原に進出したグループはやがてゾロアスター教を生み出していった(さらにゾロアスター教における善悪二元論や最後の審判といった思想はユダヤ教ないし旧約思想にも影響を与えたとされる)。


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