ここで、以上のようなグローバリゼーションの各段階を簡潔にレビューしてみよう。
まず「グローバリゼーション1.0」は、先述のように約20万年前にアフリカで私たちの祖先であるホモ・サピエンスが生まれ、約6万年前にアフリカを出て(=出アフリカ(Out of Arica))、ユーラシア、オーストラリア、さらにアメリカ大陸へと拡散していった過程であり、文字どおり「人類が地球全体を生活圏にしていく過程」である。
この段階ではもちろん「世界市場」など存在せず、人類という生物種が地球全体へ拡散するという意味であり、「人類そのもののグローバリゼーション」と言ってもよい。
また、この段階では狩猟採集が基本であり、そこでは人口密度は低く、言語は存在するが社会単位も小さかった。
どこまで拡散したかというと、それは極めて広範で、人類は世界中の「住める場所」のほぼすべてに到達していたと考えてよい(ちなみにオーストラリアについては、現在の海岸線とは違って当時はニューギニア・オーストラリア・タスマニアが「サフル」という大きな陸地としてつながっていた)。
数万年単位という長い時間軸で進んだ出来事
ただし、南極やグリーンランドなど極北地域への到達はずっと後であり、また、ミクロネシア、ポリネシアなどの太平洋の島々への拡散は、(この後の「グローバリゼーション2.0」での)農耕を伴う言語集団(=オーストロネシア語族)が台湾を起点に広がっていくことによって実現していった。
これは日本との関わりを含めて興味深い話題であり、後ほど立ち返りたい。
なお、以上のように記すと人類が地球上の各地に「急速」に拡散していったような印象があるかもしれないが、それは正しくない。
これらはここで述べているように数万年単位という長い時間軸で進んでいった出来事であり、その過程は極めてゆっくりとした、緩慢なプロセスであったと理解する必要がある。


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