そして、ここがもう一つの注目すべきポイントなのだが、実は第二の「グローバリゼーション」(「グローバリゼーション2.0」)の後半期に、人間の歴史において決定的な意味をもち、現代の世界にも大きな影響を及ぼし続けている出来事が生じている(いわば「グローバリゼーション2.5」)。
それはドイツの哲学者ヤスパースが「枢軸時代(Achsenzeit)」、科学史家の伊東俊太郎が「精神革命」と呼んだ時代ないし出来事で、紀元前5世紀(今から約2500年前)前後に、現在に続く普遍的な宗教ないし思想が、地球上のいくつかの地域において“同時多発的”に生じたことを指している。
具体的にはインドでの仏教、中国での儒教や老荘思想、ギリシャでのギリシャ思想、中東での(キリスト教やイスラム教の源流となった)旧約思想であり、これらはいずれも特定の共同体を超えた普遍的な価値を提起するとともに、人間にとっての精神的・内面的な倫理や「幸福」の意味を説くという点において共通していた(なぜこれらが“同時多発的”に生じたかの理由ないし背景については後ほど改めて述べる)。
地球は有限なエコ・システム
一方、第二の「グローバリゼーション」の後半期にこうした「グローバリゼーション2.5」が生成したこととある面で類似しているが、現在の世界において生じている新たな波は、「グローバリゼーション3.5」と呼ぶべき局面であると私は考えている。
後ほど詳しく述べるが、それは地球の全体を一つのまとまった(人間と他の生命を含む)有限な環境ないし生態系(エコ・システム)として捉え、その持続可能性に価値を置くような考え方だ。
改めて確認するまでもないだろうが、「グローバリゼーション」の「グローブ(globe)」とは本来“球”という意味であり、実質的に地球を指しているわけだが、ある意味で以上のような「グローバリゼーション3.5」は、最も根本的な意味で「globe=地球」という存在を正面から捉える世界観ないし潮流と言えるかもしれない。


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