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「何がなんだかわからない今の市場」の「正体」とは……「21世紀最大の金融危機」が目の前に迫っているといっても過言ではない

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アメリカは24日にイラン経済を孤立させる計画の詳細を発表するという。だが世界の債券危機は深刻。ベッセント財務長官の心中も穏やかではないはずだ(写真:ブルームバーグ)
  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授
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そして、これは、日本だけでなく、アメリカでも同様で、同国の長期国債の中心的な利回り、30年物の利回りが、一時、約5.3%台となり、25年ぶりの水準となっている。しかも、これは、まだ上昇する気配がある。世界的にも同様である。世界の債券市場全体が大幅下落を継続しているのである。理由は?

なぜここへ来て需給懸念が生じているのか?

第1に、インフレである。利回りは名目だから、インフレになれば、上がる。そして、30年物が上がるということは、インフレは高止まりすると思われている。

第2に、需給懸念。これは事件だ。債券の場合は、株式と違って、分母が大きい。つまり、債券市場のサイズが、金融市場の大部分を占めるから、ここで需給バランスが悪い、というのは、金融市場自体が、そして世界経済全体がバランスを崩しているということになる。

つまり、長期国債利回りは、その代替運用資産として、銀行預金、そのほかの固定金利商品、不動産(特にREIT)、インフラ投資、実物投資なども含まれるから、長期金利が高いということは、ほかの運用対象資産の利回りも上がらないといけない。国債価格が大幅下落する、ということは、世界全体の金融資産総額が大幅に減少している、ということになる。

では、なぜ、需給懸念が生じたのか。これは、いまいちばん話題のAI需要である。いわゆるハイパースケーラーをはじめ、多くのAI関連、半導体関連、データセンター関連の超大企業が競って、我先に債券発行で資金の調達を急いでいる。理由は、需給がさらに崩れ、より高い利回りを提供しなければならなくなることが1つ、もう1つは、物量勝負になっているからである。つまり、資金をより大量にいち早くぶち込めた方が、現在のAI先陣争いに勝てるからである。

この含意は、まず、需給バランスが崩れる効果は、数年以上続くということ、さらに利回りは上昇する可能性が高いということだ。これは確実である。

しかし、より深刻な懸念は、AI先陣争いは「第1ラウンド」で終了するわけはなく、この先、何ラウンドもあるだろう。オープンAIはすでに敗色濃厚だ。アンソロピックが「ランキング1位」でいられるのも、わずかな期間となりそうだし、そもそもランキング1位になっても、覇権を握れるわけではないので、収穫期はまだまだ先、だから、ランキング1位の企業も継続的に物量投入競争を継続しないといけない。

ハイテクかローテクかの差はあるが、ライドシェア、フードデリバリー業界は、永遠に物量投入競争が続いているので、ついに、フードのほうは多くの企業が撤退をし始めた。しかし、競争はかなりの期間継続していた。AI・データセンターでも、競争構造は同じ、かつ、研究開発投資への物量もさらに激しく必要で、かつ、ということは、物量以外に、技術的ブレイクスルーがいつ、だれによって突然なされるかわからない、かつその可能性が高いので、リスクはものすごく高い。

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