2022年にチャットGPTがリリースされて以降、AIの開発競争は加速している。近年、AI業界で話題になっているのが、25年5月に米アンソロピックが一般提供を開始した「クロードコード」だ。
これまでのモデルもプログラミング能力はあったが、人間の書いたコードを修正するような使われ方が主流だった。だが26年に入り、複数のAIエージェントを統括する「オーケストレーション」と呼ばれる仕組みが発達したことで、エージェント同士が自律的に協調し、長時間のタスクやアプリ開発までこなせるようになりつつある。ベンチマークの焦点も、知識量よりも、いかにタスクを完遂できるかに移ってきている。
ただ、AIの進化とともに課題も顕在化してきた。アンソロピックが26年4月に発表した「ミュトス」は、サイバーセキュリティの能力が高く、悪用された場合の懸念から、信頼できる特定の組織に限定して提供された。
さらに、ミュトスを軸に安全性を高めた「フェイブル5」が26年6月に一般公開されたものの、アメリカ政府が国家安全保障上の権限に基づき発出した輸出管理指令により、提供が一時停止される事態となった。
AIの稼働時間の増加に伴うトークンコストの急騰や、ハイパースケーラーの設備投資額の膨張といったコスト面の問題も出てきている。AIが社会に実装されつつある中で、こうした摩擦をどう切り抜けるかが問われている。
日本でも動き出す「ソブリンAI」
こうした動きは、さまざまな業界に波及している。とくにフェイブル5の一件は、国によるAI提供の制限が現実に可能であることを露呈させた。



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