さらに、インドからの海外渡航者数は年間3000万人を超え、日本を訪れるインド人も30万人を超えました。2030年までに100万人を超えるとも言われています。すなわち、異文化を自ら体験し、受け入れられる消費者が増えてきているのです。
日本文化を楽しむ消費者と日印国家案件
かつて海外文化に保守的だったインドの消費者たちが、K-POPを聴き、洋装でファッションを楽しみ、中華料理、タイ料理、韓国料理そしてとうとう日本料理にも興味を持ち始めています。これは20年前には考えられなかったことでした。
このような大きな変化が、日本企業によるインド進出の第3次ブームの理由であり、そしてインド市場に進出すべきだと私が考えている理由となります。今回の日印首脳会談では、経済安全保障に関する協力、5つの優先分野(半導体、重要鉱物、情報通信技術、クリーンエネルギー、医薬品)における協力、そして重要新興技術(AI、データセンター、量子技術、宇宙科学、スーパーコンピューティング、先端材料研究及び海底ケーブル)における協力が、日印共同宣言や各種覚書として発表されました。また、その内容に沿う形で、民間企業、教育機関、団体等の間で計129件の日印間のMOU(了解覚書)が発表されました。
以前からインドが重点を置く半導体、AI、データセンター、エネルギーといった分野での協力が、より明確なものとなりました。なかでもエネルギーに関しては、具体的な発表がいくつか出されています。
例えば、グリーンアンモニアに関しては、大きな発表がありました。インド企業ACMEグループとIHIが、オディシャ州ゴパルプルで年間約40万トンのグリーンアンモニアを生産し、そのうち年間約22.8万トンを日本に供給するというモデルです。
グリーンアンモニアは通常のグレーアンモニアと比較して、およそ2~3倍程度の価格と言われますが、日本政府が2030年から15年間にわたってその差額の一部を助成金として支援します。その間に生産量を増やし、経済合理性のある事業として確立するというメッセージだと考えられます。また、中央政府だけでなく、州政府との産業連携が加速していることを象徴する案件とも言えます。


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