「欲望は底知れないものだと思うんです」
15歳で芸能界に入り、40年以上。人から見られ、選ばれ、評価される世界を歩んできた本木雅弘は、還暦を迎えた今も、欲望がなくなったわけではないという。
では、その欲望とどう付き合うのか。時代や人と、どのような距離を取るのか。映画『八月の声を運ぶ男』で出会った「自分が選ばなかった人生」への憧れとともに、本木が考える“かっこいい大人”の条件を聞いた。
欲望をなくすのではなく、扱えるようになる
「かっこいい大人」とは、どんな人なのか。本木が挙げたのは、「欲望」との付き合い方だった。
「欲望は底知れないものだと思うんです。だから、それをただ抑えるという意味ではなく、使い方の緩急というか。欲望をほどよく、自在にコントロールできる人が、かっこいい人間なのではないでしょうか」
欲望は、前へ進む力になる一方で、気づかないうちに人を競争へと駆り立てる。
「特に男性は、一つ何かを成し遂げると、またその上を目指そうという習性がある。小さなことですが、男が集まれば、つまらないことでマウントを取りたがるのもその現れで、権力争いのようなものも生まれやすい」


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