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ライフ #トクを積む習慣

「ドコモSMTBネット銀行」は"dポイント経済圏"を浸透させられる? ポイ活好きが意識すべき「人生フルスキャン」の未来

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スマートフォンとカードを持つ人物
悲願だった「ドコモ経済圏」の完成。だが少し遅かった――と言える理由とは(写真:Luce/PIXTA)
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数カ月ではなく、もっと長期での分析も可能だ。幼児用の通信教育を申し込んだ人が、5年前にマタニティ用品を購入していたという傾向が明らかになれば、今後の予測もたやすい。子供が学校に上がるタイミングで、住宅を購入する人が多いと分析できれば、それに合わせて家具や家電、インテリア用品が必要になる。そうした未来の購買予測は難しいものではない。

楽天は1億超のIDを有しているという。それだけの膨大な購買データをAIに分析させれば、人々の消費行動はかなりの精度で予測できるだろう。いずれはAIが先回りして「あなたは来月にはAとBの商品が必要になるでしょう。ポイントアップのキャンペーンがもうすぐ始まるので、その時に買ってはいかがです? なお、1年後にはこんなものも欲しくなるはずですよ」と勧めてくれるようになる。

自分で考えなくてもいい。いや、自分が欲しいとすら思わなくてもいいのだ。全部、AIが先回りして必要な品リストを渡してくれるのだから。

「オトク」と引き換えに、私たちは何を渡してきたか?

私たちが「オトクだ」と思ってさまざまなポイントを受け取っているかわりに、その事業者に渡しているのが、私たちの生活そのものだ。利用者は多ければ多いほうがよく、利用年数も長ければ長いほうがいい。そういう意味では、ドコモの経済圏の完成は少し遅かったのかもしれない。

冒頭に書いたが、新しい「ドコモの銀行」は金利サービスではなく、dカードを口座に紐づけ、さらにスマホ決済の利用でdポイントの還元率を上げる特典に力を入れる。つまり決済重視だ。狙いはやはり購買データの蓄積だろう。ただ、決済のシェアでは、スマホ決済はPayPayが、クレジットカードは楽天カードが、顧客をがっちり押さえている。dポイントはそれに太刀打ちできるだろうか。

もはや欲しいものはないといわれる時代において、ユーザーをどうやって「買う気にさせる」か。その一つの解として、AIが先回りして提案する「消極的消費」「お任せ消費」に期待が寄せられている。どんなユーザーが、どんな嗜好にもとづいて、どんな商品やサービスを購入するのか。その人にどうしたら財布を開いてもらえるのか。人間が頭を悩ますよりずっと明快に、AIは答えをはじき出すだろう。

となれば、ポイント経済圏に生きている私たちは、現在の趣味嗜好だけでなく、将来にわたるライフイベントまでをAIにスキャンされ、行動を予測されているとの覚悟を持ったほうがいい。AIが最適化してくれるなら、自分の生活情報をまるごと渡すなど気にしないという人も一定数いるだろうが。

これから私たちが向かうのは、すべてわきまえたデジタルコンシェルジュが面倒を見てくれるユートピアなのか、それともAIが吹くハメルンの笛のままに進む異界か、果たしてどちらなのだろう。

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