なぜ、PEに買収された企業はこれほど脆く崩れ去るのか。その理由は、彼らのビジネスモデルの根幹にある「3つの致命的な問題」にある。
第1に、「極めて短期的な所有」である。
PEファームは通常、企業を数年間しか所有しない。彼らにとって企業は「育てる組織」ではなく「転売して利益を得るための商品」であり、長期的な健全性を考慮する理由はほとんどない。
第2に、「過剰な負債の押し付けと手数料の抜き取り」である。
買収資金の大部分を銀行などからの借入金で賄うが(レバレッジド・バイアウト:LBO)、借入金を返済する責任を負うのは買収された企業側である。
さらに彼らは多額の手数料を毎年抜き取り、企業に新たな借金を負わせて分配金を得る「配当リキャップ」まで強行する。資産を抜き取られ負債まみれになった企業が生き残るのは困難で、LBOで買収された大企業のおよそ5社に1社が10年以内に破産している(非PE買収企業の破産率はわずかおよそ2%)。
第3に、「徹底的な責任回避」である。
PEファームは、法的に独立した「ファンド」をクッションにすることで、企業の負債や行動について自らが法的・金銭的責任を問われることをほぼ完璧に免れる。失敗しても失うのは初期のわずかな自己投資だけだ。
成功すればリターンは無限大、失敗しても損失は他人に押し付ける——このルールが彼らを無謀なリスクテイクに駆り立てている。
従業員を解雇し、経営者は「年10億ドル」を稼ぐ不条理
この略奪的なスキームにより、富は従業員や消費者から金融エリートへと容赦なく移転されている。
巨大PEの共同設立者たちの資産は、それぞれ70億〜290億ドルに達し、投資銀行JPモルガンのCEOが2021年に稼いだ報酬(およそ8000万ドル強)に対し、ブラックストーンのCEOはその12倍以上の「10億ドル(約1500億円)」を1年間で稼ぎ出している。
その一方で、PE買収企業では、雇用が平均12%も減少し、従業員の賃金は引き下げられる。彼らは「経営効率化」を口実に、レイオフ、値上げ、製品やサービスの品質カットを強行し、実体経済を空洞化させている。
さらに不条理なのは、PEにとっての最大の資金提供者が、彼らによって賃金や年金を削られている労働者たちの「公的年金基金」だという事実だ。労働者が将来のために積み立てた大切な資金が、自分たちの賃金カットや年金債務免れに悪用されている。
私たちは、知らず知らずのうちに自らを破滅させる手段に協力させられているのである。


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