2000年代の道頓堀は、川の両岸に遊歩道(とんぼりリバーウォーク)を設置したり、水質改善に力を入れたりするなど新たな生き残りを模索。2012年には何とプールをつくる計画まで浮上した。
しかし、これらが奏功したとは言えず、2006年に比べて2011年の通行量は約20%減少。2005年から2014年の道頓堀や千日前(同じくミナミの繁華街)の利用率も15%近く減少している。この減少数は、ほかの大阪市エリアと比較しても際立っている。
当時の道頓堀は、なぜこんなにも人気がなかったのか。要因の1つは「怖い街」というイメージだろう。
そもそもミナミは、キタにくらべて「怖い」という印象が強い。実際、キタに比べて暴力団事務所も多く、戎橋は「ひっかけ橋」と呼ばれて若い女性に声をかける男たちがたむろし、ケンカも日常茶飯事。阪神タイガースの優勝時やサッカーW杯の開催時などに川へ飛び込む傍若無人ぶりも悪印象を与えていた。
なぜ外国人は道頓堀にやってくるのか
そんな街に再び人がやってくるようになったのが、2014〜15年頃のビザ発給要件緩和やLCC就航ラッシュと重なる「インバウンドの急増」である。
コロナ禍による中断を経て、2025年には来日観光客数が4200万人を突破し、来阪外国人観光客数も1760万人と過去最高を更新。今や道頓堀は、道幅10mほど、長さ約550mの間に1日に4万〜5万人、年間約3000万人もの観光客がひしめくエリアとなった。
なぜここまで外国人にウケるのか。
一番に挙げられるのは飲食店の多さだ。難波や千日前を含めると、あらゆるジャンルの料理が食べられるといっても過言ではない。そして、歩行者専用エリアなので回遊性が高く、食べ歩きでも自動車の通行を気にする必要はない。
グリコのネオンサイン、かに道楽や金龍ラーメンのオブジェ、後述する「くいだおれ太郎」など「SNS映えスポット」も多く、夜遅くまで開いている店も多い。
さらに、心斎橋筋商店街や高級ブランドショップがならぶ御堂筋、「大阪の秋葉原」とも呼ばれる日本橋商店街も近く、ショッピングのついでに立ち寄ることができる。
つまり、「見物」「食」「買い物」といった要素が凝縮され、時間をかけずに大阪らしさを満喫できるのが道頓堀なのだ。


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