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AI需要で活況のNAND型フラッシュメモリー市場。日本メーカーで専業のキオクシアの業績も絶好調だ。しかし業界の勢力図は今後、中国企業によって大きく変わる気配が濃厚だ。台風の目となっているのは中国・湖北省武漢にある国策NANDフラッシュメモリーメーカー・YMTC(長江存儲科技)である。
YMTCは2026年4〜6月期、出荷量ベースの世界シェアでキオクシアを抜き、韓国のサムスン電子とSKハイニックスに続く3位に浮上した。キオクシアとのシェア差はごくわずかだったし、販売額ベースではキオクシアのほうが上だった。
つまりYMTCは、スマートフォンやパソコン向けの安いメモリーを大量に出荷してシェアを伸ばしたのであって、データセンター向けの高価格なeSSD(エンタープライズ向けSSD)を主力とするキオクシアとは土俵がやや異なる。
それでも今後キオクシアにとって、さらには韓国2強にとっても、YMTCが無視できないライバルになるのは確実だ。日本人の多くが知らない、YMTCの成長の軌跡を明らかにしよう。
10年で3工場が次々稼働
YMTCが設立されたのは16年7月。半導体コングロマリット・紫光集団の系列企業として、中国政府の半導体国策ファンド・大基金(正式名称・国家集成電路産業投資基金)などから出資を受け、資本金386億元(8878億円)でスタートした。その後、今日に至るまでの10年間でYMTCは増資を繰り返し、現在の資本金は1132億元(2兆6036億円)に膨らんでいる。
調達した巨額資金の使途の1つは、工場への設備投資である。会社設立以来、日本企業には考えられないスピードで増産投資が進められてきた。
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