エンジンはよくまわり、400Nmの最大トルクが1600rpmから4500rpmと、エンジン回転域の広範囲で発生するため、大抵の速度域で瞬発的な加速に優れる。瞬間的な大トルクがほしいときは、48ボルトシステムの電気モーターが230Nmのトルクを上乗せする。それが気持ちよい。
操縦性は高く、ハンドリングは正確。アウディ ジャパンが、「トーションバー、ステアリングギア、コントロールアームブッシングなどの構成部品を先代モデルよりも硬めに設計しました」と説明するとおりの出来映えだと思う。全長5mの余裕あるサイズのセダンなのだが、スポーティとさえ言える操縦性が光っている。
キャビンは、外観的にはややコンパクトにまとめるのがデザインの狙いかもしれない。実際は後席も広いのだが、前席主体のドライバーズカーとして買っても、絶対に後悔しないだろう。アウディは、このところブランドイメージが弱めな印象もあるが、乗れば存在感は大きく感じられるはずだ。
前身のアウディ100から数えて通算9世代目
A6の系譜を辿ると、1968年のアウディ「100」にまでさかのぼれる。A6と車名変更したのは94年で、第4世代の途中からだ。同年にトップモデルとしてアルミニウム骨格の「A8」が発表され、モデルラインナップの拡充を受けての名称変更だ。
衝撃的だったのは、97年の「C5」などとも呼ばれる第5世代。「クーペのようなルーフライン」とは、現在のアウディ ジャパンによる特徴づけだが、それだけでない。塊から削り出したようなソリッド感と、それでいて躍動感のあるデザイン。ドアやボンネットやトランクリッドのパーティションは、鋭い刃でその塊に切れ込みを入れたぐらい幅が狭い。
日本の自動車界では「ちり」と、建築用語を使ったりするが、どのメーカーも、パーティションをどう扱うかが、クルマの組み立てにおける大きなテーマだった。アウディは、ここを可能なかぎり細くして高精度の組み立て技術と、それが空力(燃費)によい影響を与えることを喧伝して、世間で大いに評価を上げた。


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