「アマルフィ スパイダー」には、フェラーリならではのユニークなビジネス手法がみられる。
同社は多くの場合、クーペを先に発表し、そのフルオープン版を追加してきた。
アマルフィも同様。「ローマ」の後継になる「アマルフィ」をまず2025年7月に発表。その後スパイダーが追加された。
スパイダーとは、車高の低いオープンスポーツカーを意味する言葉。1960年代までレースにも出走するスポーツプロトタイプには、スパイダーボディが多かった。
耐候性の高い金属製の固定式ルーフが主流になってからも、フェラーリにとって創業以来、重要な市場だったアメリカ西海岸などでは、オープンモデルの人気は衰えていない。
そのためフェラーリは、オープンモデルの重要性をよく理解している。
レースにそのまま出られるようなスポーツカーや、ほぼフルオーダーの「ワンオフ」なる車両を限定生産する一方、比較的(あくまでも比較的)買いやすい(高いけど)量産モデルにオープンを設定してきた。
デザイナーは、企画段階からクーペとスパイダーの両方をデザインしなくてはならない。クリエイティビティにとっては大変な挑戦だ、とかつて聞いたことがある。
「S」と「スパイダー」の違い
フェラーリのラインナップには「296GTB」とルーフが開く「296GTS」がある。Bはベルリネッタ(クーペの意)でSはスパイダー。
車名を「S」にとどめているか「スパイダー」としているかの違いは、前者が「ルーフは開くが、あくまで限定的」で、後者は「フルオープン」であると私は理解している。
フェラーリの現行モデルでは「12チリンドリ」にしても「849テスタロッサ」にしても、クーペとともにスパイダーが設定されており、どちらもフルオープンの爽快さを持つ。


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