進化におけるもう1つの決定的なカギを握っているのが、この「性の選択」を詳しく扱った、1871年に出版された『人間の進化と性淘汰』である。
これで進化論の大きな枠組みはほぼ完成する。
すべては「生存と繁殖」のために
クジャクの羽が本記事の関心事ではない。でも、クジャクの羽は進化論の核心となるメッセージを持っている。
それは、「生命体の持つあらゆる外見と習性は偶然の産物ではなく、生存とペアリングのための道具」という点だ。
とても重要なことなのでもう一度言う。
動物のあらゆる特性は、「生存と繁殖」というはっきりした目的を達成するための道具だ。
特に「あらゆる」という単語に注目してほしい。
心理学はこれまでの100年間、この「あらゆる」という単語を非常に狭く解釈してきた。進化過程を鳥のくちばしの模様、キリンの長い首といった特性に限って理解した。
しかし、心理学という学問は文字どおり身体よりも心に、より関心を持っている。
どんな身体的特徴を持った動物が絶滅し、生存したのかは、人間の心を理解するのとは無関係に思えた。
この純粋すぎる心理学の関心の幅を広げる本が、約20年前から登場している。
たとえば、スタンフォード大学で心理学博士学位を取ったばかりのジェフリー・ミラーという青年が2000年に出版した『恋人選びの心』(岩波書店)という本。


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