彼は、生存の目的が単に息をして生きるだけじゃないのだと気がついた。
生命体は、後世に自分の遺伝子を残さねばならず、このために課題になるのがぺアリング(異性とカップルになること)の成功なのだ。
これこそクジャクがぜいたくな羽を持つ理由である。オスのクジャクがかなりの危険をおかしてまで大きな羽を維持し、それを誇示する理由は「ぺアリングのため」だ。
本当?
クジャクが命がけで派手な羽を維持するのは本当にペアリングのためなのだろうか?
「勝ち組」異性に惑わされるメスたち
検証のために科学者たちはオスのクジャク27羽の羽の模様の個数とペアリングの頻度を記録した(Petrie & Halliday, 1994)。模様の多いクジャクであるほどペアリングの頻度が平均して高かった。
より精巧な検証のために、科学者たちは羽の目の模様20個をはさみで切ってみた。
なんと驚いたことに、羽にこんな「テロ」攻撃をされたクジャクたちのペアリング頻度は、2.5倍減少した。
ダーウィンの主張どおり、羽は飾りじゃなかった。オスの華麗な尻尾は、健康ですぐれた遺伝子を持っていることをメスにアピールするための象徴なのだ。
「こんな面倒くさいハンディキャップがあるのに、俺は生存できるすごいやつなんだぞ!」とでも言っているかのように。
動物のあらゆる特性は、ある目的のために存在する。
クジャクだろうと人間だろうと、良質の遺伝子を受け取りたいメスはこうした「勝ちオス」たちに惑わされるようになっている。
誘惑して誘惑され、ペアリングに成功し失敗して。


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