2026年度入試では、国公立大学の前期日程全体の志願者数こそ前年並みでしたが、難関10大学や準難関・地域拠点大学では志願者が減少しました。河合塾も「共通テストの難化によって安全志向が強まった」と分析しています。首都圏や近畿では、国公立への出願をやめ、私立大学専願へ切り替えた受験生が例年より多かったと見られています。
つまり問題なのは、単なる「平均点低下」ではありません。共通テストの1日、2日の失敗によって、それまで何年間も描いてきた受験戦略そのものが変わってしまう。自分はこれこそ、2026年度入試で起きた「静かな大事故」だったと思っています。
「共通テストくらいなんとかなる」は間違い
この共通テストを必要以上に甘く見てしまう原因のひとつに、保護者世代の「センター試験の記憶」があります。
保護者の方と話していると、「センターなんて、普通に勉強していれば取れたよ」「二次試験の勉強をしていれば、共通テストもなんとかなるんじゃないの?」という話をされることがあります。しかし、これはかなり危険な認識です。
現在の共通テストでは、単純に知識を覚えているだけではなく、複数の文章や図表、会話文などを読み、それらを組み合わせながら答えを判断する問題が数多く出題されています。河合塾も2026年度について、「日常を意識した場面設定」「複数資料の提示」といった共通テスト特有の傾向が継続していると分析しています。
国語では、文章をただ読解するだけでなく、複数の資料を行き来する。地歴・公民では、資料を読みながら、背景となる知識を引き出す。数学では、長い問題文から「何を求められているか」を素早く整理する。
センター試験と共通テストの最大の違いは、「知っているか」だけではなく、「知っていることを時間内に使えるか」が強く問われるようになったことだと、私は思っています。難関大学志望の生徒で、それこそ東大を目指しているような優秀な生徒であっても、共通テストの対策の時間をしっかりと取っていないと点数が取れない試験になっていると言えるのです。


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