制度改革も避けては通れません。現在の年金制度では、一定以上働くと年金が減額される仕組みがあり、高齢者の就労意欲を削ぐ要因になっています。人口構造が大きく変わった今、この制度を見直し、年金制度と高齢者就労を一体で考える時期に来ています。
さらに私は、一つの私案として、公的高齢者福祉施設に入所した場合は、利用者の年金の一部を施設利用料へ充当する仕組みも検討に値すると考えます。もちろん反対意見があることは承知しています。しかし、これまでの制度を前提とした小幅な修正だけでは、超高齢社会を支えることは難しいでしょう。賛否を恐れず議論を始めることこそが重要なのです。
また、社会保障制度は政治家や官僚だけが変えるものではありません。最終的に政治を動かすのは、有権者の「意志」です。行政改革に本気で取り組む政治家を選ぶこと。改革を掲げる首長や議員を支持すること。その第一歩が選挙です。
一度の選挙で劇的に変わることはないでしょう。しかし、選挙を重ねることで政治は少しずつ変わります。そして、その積み重ねが行政を変え、制度を変え、社会を変えていくのです。
私たちの世代が未来への責任を果たすために
私たち高齢世代は、先人たちが築いてくれた社会の恩恵を受けながら今日まで生きてきました。だからこそ、その社会をより良い形で次の世代へ引き継ぐ責任があります。子どもや孫の世代が、社会保障制度の行き詰まりに苦しみ、将来に希望を持てない社会を残してはなりません。
医療現場の最前線で半世紀近く社会保障制度と向き合ってきた者として、2040年は決して遠い未来ではないと断言できます。その日は、今この瞬間にも着実に近づいています。2040年は単なる統計上の目安であって、対策が遅れれば遅れるほど、その影響はもっと早く訪れるかもしれません。
だからこそ、制度が限界を迎えてから対応するのではなく、まだ改革を選択できる今、私たち一人ひとりが行動を起こすべきではないでしょうか。2040年は避けられない未来です。しかし、その未来を「崩壊の年」にするか、「改革の年」にするかは、今を生きる私たちの選択にかかっているのです。



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