発表の柱であるカメラの新機能にも、画面ではなく目の前の体験に意識を向けさせるという発想が通っている。プルナスキー氏は、妻との旅先で夕日を眺めるときでさえ、体験を楽しむどころか完璧な写真を撮ろうと必死になってしまう自身の経験を語った。その答えとして開発したのが「マジックキャプチャー」だ。
カメラを起動して構えているだけで、500のフレームから最高の瞬間を選び取り、通常のシャッター撮影と変わらない画質で記録する。シャッターチャンスを狙って画面をにらみ続ける必要をなくす機能といえる。このほか、クラシックフィルムの発色を再現する「カメラスタイル」や、動画制作を支援する「クリエイタースイート」もPixel 11で導入した。
タップを減らす先回り
HiLightが画面を見ずに済む場面を増やすなら、Gemini Intelligenceは操作そのものを減らしにいく。軸に据えたのは、文脈を読んで先回りする提案機能だ。メッセージアプリで家族からフライトの到着時間を聞かれると、Geminiが便の詳細をまとめたカードを生成し、返信候補として差し出す。友人からレストランを勧められれば、会話画面に地図のプレビューを出し、予約まで提案してくる。
プルナスキー氏は、友人と店と時間を決めたのに予約まで手が回らない場面を実演した。相談していたメッセージの会話画面に、Geminiが予約の代行を提案し、実行に必要な指示文をあらかじめ作って添える。ユーザーはアプリを離れることなく、それをタップして任せるだけで、Geminiが予約を済ませる。このほか、イベントのWebページを開けばカレンダーへの保存を促し、駅に近づくとデジタル乗車券を表示するプレビュー機能も紹介した。
いずれも、ユーザーがアプリを行き来して情報を探し、入力する手数を省く設計だ。同時に、勝手に動くAIへの不安には3つの原則で答えた。
まず、これらの機能はユーザーが自分で有効にしない限り動かない。扱うデータはPrivate AI Computeと呼ばれる技術などで保護する。クラウドで処理する場合も隔離された領域を使い、グーグル自身を含む第三者は中身を見られないという。そのうえで、Geminiがいま何を自動化し、データをどう扱っているのかを、ユーザーが確認できるようにする。これらの機能は日本でも順次提供するとしている。


※ログイン後、コメント入力が可能です。