さらに面白いのは、東大に入ってからもこの習慣は続くということ。レポートを書くときに1つの文献だけを参照する学生はいません。複数の論文、複数の本、複数の視点を同時に集めて、その重なりとズレから自分の理解を組み立てていく。そして今の時代、そこに生成AIが加わった。ChatGPTで聞いて、Geminiで聞いて、Claudeで聞いて、その回答の違いを見る。そうやって勉強しているわけです。
検索して「分かった気」になるのが一番危険
逆にいうと、1つの説明だけで「分かった気」になってしまうのは、実は一番危険な状態です。
例えば、多くの人は何か分からないことがあると検索しますよね。そして検索結果の一番上に出てきた説明を読んで、「なるほど、分かった」と思う。はっきり言って、これで理解したつもりになるのは危険です。あれは一番説明として完結していて、「ただ分かりやすいだけ」の内容だったりするからです。
例えば麻雀を検索すると、「中国を起源とする4人(または3人)で行う卓上ゲーム」と出てきます。でも麻雀をやっている人からしたら、「いや、中国起源とか気にしたことないけどな」と思うはずです。実際に打つ人が気にしているのは、点数計算であり、捨て牌の読み合いであり、押し引きの判断であって、起源なんて話は現場の理解とは全然違うところにある。
つまり、検索で最初に出てくる説明は「辞書的に正しい説明」であって、「実際に使える理解」とは別物なんです。それを1つ読んで分かった気になるから、いざ使おうとしたときに何もできない。1つの説明には、その説明が切り取っている「角度」があるということを、まず自覚する必要があります。
勉強において、1冊の本、1つのAIに頼るのは悪いことではありません。ただ、それだけでは「点」の理解にとどまってしまいます。
同じテーマの本を2冊買う。複数の生成AIに同じ質問を投げる。一見非効率に見えるこの行為が、実は一番効率的で、一番深い理解を生む。
被っている部分は「重要な本質」。違う部分は「解釈の分かれ目」。この構造が見えた瞬間、勉強は一気に楽になるんです。「複数同時」――これが、東大生のインプットにおけるキーワードです。
1つの答えを探すのではなく、複数の切り口を集める勉強法に切り替えてみてください。きっと、今まで見えなかった景色が見えてくるはずです。



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