窓が開かないことが撮影に不向きで最初はやや不満だったが、一般乗客が乗る隣の「硬座車」は窓が開くので、時折移動して写真を撮れることになった。
列車は上海から南京、西安などを経てシルクロードへとひた走る。やがて車窓風景は赤土の丘陵地帯となり、砂漠へと変化していく。灼熱の砂漠地帯に入ると、エアコン付き客車のありがたさをしみじみと感じることになった。
半袖では「死んでしまう」灼熱地帯
筆者はほとんどの時間を隣の硬座車で、一般乗客と交流しつつ窓を開けて砂漠地帯を行く列車の車窓風景をひたすら撮影していた。灼熱の砂漠地帯の熱波と汗と窓から吹き込む砂ぼこりで体は汚れ放題だが、シャワーなどは当然ない。洗面台にためた、身を切るほど冷たい水をシャワー代わりにザバっとかぶってさっぱりしたのを覚えている。
3泊4日の旅を終えて涼風の吹く高原の街、ウルムチに到着後は、バスで砂漠地帯へと戻り列車を地上から撮影した。バスから半袖で外に出た筆者に、現地のガイドが「南さん、それでは死んでしまいます」。灼熱の乾燥地帯では半袖だとあっという間に汗が蒸発して脱水症状になってしまうというのだ。大自然のすさまじさを感じる出来事だった。

