ただ、現実には難民・移民制度の厳格化がヨーロッパで進み、移住を試みても合法的な滞在資格を得ることは以前より難しくなっている。
増えすぎた難民・移民がヨーロッパを根底から揺るがす
人道的理由と労働力不足を主な理由に、EUはこれまでEU外からの外国人受け入れを継続的に進めてきた。OECDの25年版データによると、総人口に占める移民の割合は、トップのドイツで約20%、イギリスで約17%、フランスで約14%、イタリアで約11%と4カ国とも10%を超えている。
ドイツの場合は、トルコ、ポーランド、ルーマニア、シリア、ウクライナ、ロシアなどが多く、とくに15年のシリア、イラク難民の流入で移民の割合は増えた。
フランスは、旧植民地のモロッコやチュニジア、アルジェリアという旧植民地出身者が大半を占め、イタリアはルーマニアやアルバニア、モロッコ、ウクライナなどが主要な出身国だ。イギリスはインドやパキスタン、ナイジェリア、中国、ポーランドなど、旧イギリス連邦やEU諸国からの移民が多いなど、各国で移民事情は異なる。
フランスの場合は、移民第1世代だけで人口の14%に達しているものの、フランス生まれの2世以降がカウントされていないので、その数はさらに多い。ヨーロッパに定着してしまう難民・移民が多いことから、移民人口は増える一方で、深刻な社会問題に発展している。
結果的に、フランスの次期大統領有力候補の「国民連合」(RN)のルペン氏、ドイツの「ドイツのための選択肢」(AfD)、イタリアのメローニ首相率いる「イタリアの同盟」(LN)といった新興右派勢力など、地中海経由の不法入国問題やEU全体の移民政策を背景に右派政党が移民問題を主要な争点として位置づけている。結果として今回のセウタの大量移民流入事件は、ヨーロッパ諸国を大きく揺さぶっている。
法的カテゴリーに「移民」という言葉が存在しない日本も、全人口に占める外国人の割合が3~4%と過去最大で増え続けている。外国人への規制を強める政党まで出現しているが、一方でヨーロッパのように宗教的脅威に晒されている現実はない。
今回のセウタへの大量移民流入は、
サンチェス政権も国境管理強化に動いているとはいえ、EU保守派が主張するほどの厳格さには達していない。
EUの移民・
さらにシェンゲン協定そのものが揺らいでいる。イタリア、
日本はこれまで、外国人によるルール変更や分離主義社会の脅威に晒されてこなかった。しかし、外国人を規制する法律が未整備な中、ヨーロッパでもありえない空港や原子力発電所など安全保障に関わる施設の近くの土地が外国人の手に渡っている事実を突きつけられている。外国籍の日本在住者による犯罪も増えている。


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