受け止めを問われた村元氏は、発表に自社と重なる取り組みが並んでいたことを挙げ、「我々の取り組みが一定評価されたのかな」と答えた。そのうえで、2年間の共同経営を通じて「何ができて何ができないか、知見がかなりたまってくる」とし、他社がどういう深さで関与していくかで違いが出てくるとの見方を示した。
熊本地震で見えた、水とトイレの重み
防災も店舗の柱の一つだ。高幡台店は太陽光発電と蓄電池、衛星通信のStarlink、それを足回りの回線に使う小型基地局のauフェムトセル、断水時に使える災害時用トイレを備える。ローソンは今年2月に千葉県富津市で「災害支援ローソン」の1号店を開いており、高幡台店もその機能を併せ持つ。
そうした備えが現場で問われたのが、7月の熊本地震だった。竹増氏は地震の翌朝に現地へ入り、これまでに800人規模の応援を全国から送った。最も深刻だったのは断水と停電で、店を開けても従業員がトイレを使えない。10年前の経験を踏まえ、断水時用のトイレを30個ほど確保して設置し、緊急の場合は客にも使ってもらっているという。ポリタンクも2300個ほど用意し、応援メンバーが水を運んだ。
商品が何もない棚のままでも、店が開いているだけで客は安心して帰っていった。「10年前も今回も、頼りになるのはやっぱりローソンなのよ」と声をかけられたという。水を供給できる拠点が地域にあること、備蓄用の倉庫を用意することを、竹増氏は今回の教訓として挙げた。
開店に先立つセレモニーで、古賀市長はこうした店を「お買い物をするためだけのものではなく、地域の皆さんが力を結集して育てていくべき社会のインフラ」と呼んだ。食料品と薬、行政の相談窓口、災害時の電源と通信を一つの区画に集めた形が、その言葉の中身にあたる。
ローソンはハッピーローソンタウンを30年に全国100カ所へ広げる目標を置く。ただ竹増氏は目標について、数字ありきではなく「いろんなところで代表的な街づくりをして、皆さんに見ていただきたい」と述べ、自分たちの町でもできると考える自治体や住民が続く展開を狙うと説明した。ここで実証する宅配やリモート診療は既存店にも横展開し、既存のローソンがハッピーローソンタウンに参加していく形もありうるとしている。


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