しかし一軍の本拠地球場にも屋根がないヤクルトやロッテは、選手や観客に気を配りつつ屋外での試合を続けざるを得ない場面もある。当然ながら、デーゲームよりもナイトゲームのほうが、照明費用など試合の経費はかかる。高温の夏は、球団経営を圧迫しつつある。
夏の高温化は日本だけではない。韓国でも各地で異常高温が続いている。このため韓国プロ野球(KBO)では、8月4日にソウルと光州で予定されていた2試合が中止となった。ヨーロッパやアメリカでは高温のため山火事が多発したり、熱中症の死者が数多く出ているが、今年の「暑さ」が、地球規模で異常な状態であることを物語っている。
ドーム球場、北海道開催、日程前倒しなど選択肢を広げる時期に
この「猛暑、酷暑」は、今年限りのものとは考えにくい。地球温暖化に歯止めがかかっていない現状では、来年以降も同様の猛暑が起きる可能性は高い。それだけではなく、長期的には気温がさらに高くなることが予想されている。
日本野球も、今年や来年だけでなく、その先を見据えた対応を考える段階に来ているのではないか。プロ野球では、7月、8月の屋外デーゲームを減らし、ドーム球場での開催やナイトゲームへの移行をさらに進めることが考えられる。二軍球場に照明施設がない球団なら、一軍球場を使用する方法もある。ドーム球場を持つ球団では、一軍、二軍が同日に試合をする「親子ゲーム」を増やすことも選択肢になるだろう。それでも難しい場合には、他球団の本拠地球場を借りる方法も考えられる。
はるかに経済規模が小さい高校野球についても、夏の甲子園のあり方を今まで以上に柔軟に考える必要がありそうだ。プロ野球の協力を得てドーム球場を利用する方法もあれば、北海道で全国大会を開くという選択肢もある。北海道も温暖化が進み、地域によっては猛暑日も観測されているが、それでも甲子園周辺より気温が低い地域は多い。開催地そのものを含め、幅広く検討してもよいのではないか。
さらに、夏の甲子園の予選である都道府県大会も、6月末〜7月という現在のスケジュールを見直す余地がある。たとえば春の甲子園後に開催される「春季大会」を夏の甲子園の予選と位置づけ、5月中に代表校を決める方法も一案だろう。
前述したように、日本高野連、都道府県高野連は「営利団体」ではない。ドーム球場など他球場を使用したり、北海道など他地域で大会を開催したりするには、新たな財源の確保が必要になる。今年7月に刊行した『高野連』でも言及したが、高校野球を今後も続けていくためには、日本高野連、地方高野連の「ビジネスモデル」についても改めて考える必要があるのではないか。ビジネス感覚のある経営者をトップに据えることや、NPBとの連携、さらにはNetflixなど巨大メディアとの提携も含め、これまでとは違った改革の可能性を探る時期にきているのだと思う。



※ログイン後、コメント入力が可能です。