中には、「今回の件ではある意味において、災害時におけるイオンモールの危機管理体制の的確さも証明された。安心して出店できる」といささか早急な結論を出すテナント関係者すらいる。
また件の雑貨店の上司が、被害者に対して命じた「売上金管理」の指示命令についても、現場の悲惨な状況がわからない本部対応として、「自分もそのような指示をしてしまうかもしれない」と答える者もいた。
つまり今回の事件は、商業施設に関連する業界人にとっては、一歩間違えば「自らも間違った指示をしてしまう」危険性をはらんでいるのだ。
爆発事故を起こし、結果的に7名の死亡者を出してしまったイオンモールだが、少なくとも震災時の速やかな避難誘導に関しては、デベロッパー(本稿では、施設運営側についてこのように表記する)側とテナント側、双方の関係者から評価する声が多い。
それはイオンモール熊本のように、延床面積で約12万平方メートル、総賃貸面積で約8万平方メートルという、巨大な商業施設でありながら、約30分前後ですべての客と従業員を「一旦は無事に脱出させることができた」という事実に対してである。
都心の商業施設では「イオンモールと同じような避難誘導」は難しい?
都内にある某ターミナル駅ビルを保有するデべロッパー関係者は、「自分の管理する施設であのような迅速な避難が可能か?」と改めて自社施設の避難・誘導体制の再考を求められているという。
それは一般的にイオンモールのような郊外型の大規模ショッピングモールの場合、面積こそ大きいが建物の階層は2〜3階建て(稀に4階建てもある)が主流である。1フロア当たりの面積は大きいがその分通路幅も広く、客の回遊動線もシンプルだ。つまり、災害時の避難誘導に効果を発揮するつくりになっている。


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