実際、今回の地震における死者は4日の段階で災害関連死の疑いを含め38人、避難所に身を寄せた人数は7000人強、住宅被害は推計1万5000棟弱。それ以外でも「商工業関連の被害額は334億円」という報道もあるなど、傷ついた人々の多さは誰もが認めるところです。
一方、世間の人々が「被害状況をどうとらえているか」も重要なポイントの1つ。被災者を思い、心を痛めている人は多く、その中には『TOKYO MER』のファンもいるでしょう。「そのファンたちが楽しめず、悲しませるような状況での公開はできない」という判断が推察されます。
また、「『主人公らが被災者を助けて希望を感じさせる」という物語の内容は考慮されるか」と言えば、今回は難しいところ。被災者の救済がまだ十分ではなく、世間の人々が心配している段階では感動どころか「きれいごと」「ありえない」などと批判されてしまうリスクがあります。
熊本での事故に「『TOKYO MER』を見ているみたい」との声も…
次に「現実とエンターテインメントをリンクさせることは妥当なのか」は、最も賛否が分かれるところかもしれません。
『TOKYO MER』は主人公のチーフドクター・喜多見幸太(鈴木亮平)を中心としたチームの超人的な救出劇を描いた物語であり、いい意味で非現実的なけれん味を織り交ぜた脚本・演出の作品だけに、「現実とは別物」と言いたい人の気持ちも理解できるところがあります。
ただ、今回の地震ではイオンモール熊本での爆発が情報番組で報じられたとき、ネット上に「『TOKYO MER』を見ているみたい」という声が上がっていました。特に災害や事故・事件を扱ったエンタメ作品はリアリティを担保するために取材や調査を重ねて作られていますし、そうでなければ物語に没入できず、登場人物に感情移入しづらいところがあります。


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