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19年で1000億円近く投資も「ことごとく失敗」…看板誌『学習』『科学』が休刊となった学研が光明を見出した"意外な分野"

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学研
2010年に休刊した『学習』と『科学』(写真提供:学研)
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そうして学研は、訪問販売チームから小早川氏がリーダーを務める新規事業のプロジェクトを立ち上げ、2003年、高齢者向け事業を検討する「ウェルネス事業準備室」を設立した。後にサービス付き高齢者向け住宅事業を展開するココファンの原型となる組織だ。

教育事業の現場で拾い上げた顧客の声から、新たな事業の探索が始まった。

教育と介護、意外な共通点

もっとも、教育出版社の学研が介護事業へ参入したと聞けば、多くの人は違和感を覚えるだろう。

教育と介護。ともすると、まったく異なる事業に見える。だが宮原社長は「実はそれほど遠い事業ではなかったんです」と語る。

学研は、介護事業へ参入する以前から幼稚園・保育園向け用品の企画販売や幼児教室の運営を展開し、こちらも現場の声を拾っていた。

「保育士の方が定年後に介護職に移るケースって、多いんです。食事の介助や見守り、日常生活の支援など、保育と介護には親和性があるんですよ」

保育士が定年後に介護職に移るケースが、現場で多く見られるという(写真:学研提供)

さらに学研には、もうひとつ大きな強みがあった。全国47都道府県の地域に根ざした営業ネットワークである。

高齢者住宅を建設しても、入居者が集まらなければ事業は成り立たない。しかし学研には長年にわたり家庭を訪問してきた営業チームがいた。

「実際に入居募集は学習科学の営業チームが担いました。お客様との接点づくりや人材育成は、もともと教育会社が得意としていたことです」

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このように、介護事業は既存事業で培った組織能力を別の市場へ展開したともいえるが、学研自身はこれを祖業からの転換とは考えなかった。

学研の創業精神は「世のため人のために貢献する」である。少子高齢化が進むなかで、社会に貢献する対象が子どもだけでなく高齢者にも広がったと、捉えたのだ。

「教育という手段で社会に貢献するのではなく、社会課題の解決を通じて人々を支える。その方法の一つが教育であり、介護でもある。そう考えました」

こうして学研は、教育事業を磨き続けながら、高齢者向け事業という新たな成長領域にも踏み出した。

しかし、その船出は決して順風満帆ではなかった。

中編へ続く

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