強みは、活躍の場を広げる力になる。しかし、使い方によっては、自分を同じ場所にとどめる理由にもなる。神崎を閉じ込めていたのは、ラブコメというジャンルそのものではなく、「自分はラブコメでしか評価されない」という思い込みだったのかもしれない。では、神崎を演じた中島本人は、どうしてきたのか。
中島健人は「ケンティー」を捨てなかった
筆者が中島を初めて強く意識したのは、2012年大みそかにテレビで放送されていたカウントダウンコンサートだった。当時は、毎年の放送を楽しみにする「お茶の間ファン」のひとりだった。18歳だった中島が、Sexy Zoneの「Sexy Summerに雪が降る」を1人で歌っていた。ほかのメンバーは深夜帯に出演できる年齢ではなく、グループから出演したのが中島だけだったのだ。
サンタ風の衣装をまとい、広い東京ドームを1人で駆け回る。求められたアイドルの役割を全力でまっとうし、照れも迷いも見えない。「まだ18歳なのに、これほど仕上がっている人がいるのか……!」と、衝撃を受けたのを、今でも覚えている。
その後、バラエティやドラマなど幅広い場で頭角を現し、キャラクターも確立させていった中島。ソロ活動を始めてからも、引き続き「アイドル」という看板を降ろしていない。
現在の中島をよく表しているのが、8月19日発売の3rdシングル『鬼事 / Fiction Love』だ。映画主題歌「Fiction Love」のMVでは、ピンクの空間でキュートな魅力を見せ、振付も手がけた。「鬼事」のMVでは、和装姿から妖しい鬼へと変貌する。王道のアイドルらしさを残したまま、新たな顔をのぞかせている。


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