グッズにも同じ姿勢が見える。昨年末に発表されたペンライトは、魔法少女の変身ステッキのような見た目に、「推し」のカードを入れ替えられるギミックまで作り込まれ、ファン以外からも注目を集めた。求められるものを、期待の少し先まで作り込む。それが中島のやり方なのだろう。
『ラブ≠コメディ』でも、振り切ったコメディ演技を見せながら、観客をきちんとときめかせた。主題歌や劇中歌の作詞作曲も担当し、俳優として出演するだけでなく、作品づくりにも深く関わっている。中島は本作について、「『ケンティーの若かりし頃のラブストーリーを見たい』ってなった時に、これを見ようと思うような代表作の1つになると思います」と語っている。求められてきた「ケンティー」はそのままに、現在の自分にしか作れない作品へと更新したのだ。
今までの自分を否定せず、次へ進む
仕事に迷ったとき、「本当にやりたいことを見つけなければ」「今の場所から抜け出さなければ」と考える人は多い。
神崎は、作中で仕事を通じて誰かに何かを届ける誇りと、「自分はまだ変われる」という感覚を取り戻していった。中島も、積み重ねたものを捨てず、新しい場所を目指している。今年1月のソロライブでは、2年以内に東京ドームに立つとファンに誓った。18歳のあの日、1人で立った場所へ、今度は自分の名前で戻ろうとしている。
『ラブ≠コメディ』は、視点を変えてみようと思わせてくれる。笑えてときめけるのに、見終わったあとには、少し仕事をしたくなる。働く人にも見てほしい、お仕事映画だった。


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