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「ケンティーがアイドル俳優を演じる」設定先行の作品と思いきや…中島健人"主演映画"がキャリアに迷う社会人に刺さる訳

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映画『ラブ≠コメディ』
「お仕事映画」としての完成度が好評の、映画『ラブ≠コメディ』(ラブノットコメディ) Ⓒ2026 Storm Labels Inc. All Rights Reserved.
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中島が演じる神崎は、顔の良さばかりを評価され、ラブコメから抜け出せないことに悩んでいる設定だ。それなのに、マネージャーが持ってきた台本は『壁ドン!床ドン!君にドーン!!!』なる、「ラブコメ」ドラマ。これを見て、「俺、デビュー以来19作出て無冠っすよ!  無冠の帝王!」「賞欲しい! 賞欲しい!」と、マネージャーに早口でまくしたてる。大真面目でありながら全開のコメディ演技に、ニヤけてしまう。

神崎の設定には、中島の歩みと重なる部分がある。劇中ドラマやポスターなどの作り込みも細やかで、芸能界の作品づくりを間近で見ている感覚になる。中島自身、公開時のインタビューで、「麗司には自分の気持ちを代弁してくれている部分がある」と語っていた。世間が求める「中島健人像」と、本人が進みたい方向は同じなのか。期待される役割とどう向き合い、活動の幅を広げていくのか。映画を見ながら、表現者としての現在地まで考えたくなった。

目の前の仕事を軽く見ていた神崎

神崎の主演作『虹色ハイスクール』のオフショット。作中では様々な作品の舞台裏も描かれていて、映像作品の裏側も見ることができる(画像:『ラブ≠コメディ』公式Xより)
【写真を見る】「ケンティーがアイドル俳優を演じる」設定先行の作品と思いきや…中島健人"主演映画"がキャリアに迷う社会人に刺さる訳(2枚)

物語の序盤で、神崎はラブコメを価値の低い仕事のようにとらえていた。

神崎の焦りには、顔の見える比較の相手がいる。塩野瑛久演じる俳優・渕上颯真だ。神崎の学生時代からの友人であり、ライバルでもある。かつて同じラブコメドラマに出ていた渕上は、日曜劇場の主演を務め、賞も手にしている。もっと重い作品に出たい。演技派と呼ばれたい。賞を取りたい。順調に見えるキャリアと、本人が望む評価には隔たりがある。神崎の焦りには、大きく共感した。

神崎の考え方を徐々に変えていくのが、長濱ねる演じる共演者・南風美里だ。美里は、フリルのついた衣装で歌い踊るアイドルだ。初顔合わせから、臆することなく神崎の準備不足を指摘し、スタッフにも改善案を伝えるなど、強い熱意を示す。人からどう思われるかより、作品をよくすることを優先している。美里がここまで力を注ぐ背景には「ある理由」が隠されている。

初めは美里の熱意を空回りだと冷ややかに見ていた神崎も、与えられた役に力を注ぐ彼女と接するうちに、少しずつ変わっていく。

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