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ライフ #神童だったあの子の今

「バカすぎて"東大なんて無理"とわからなかった」 学年ビリで偏差値35→2浪で東大へ…「社会の両側」書いてベストセラー作家になった経緯

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西岡さんの高校時代
(写真:西岡さん提供)
  • 新倉 和花 東京大学法学部卒・麻雀プロ
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さらに彼は、東大生を集めた会社「カルペ・ディエム」を立ち上げ、教育コンテンツと講演、書籍執筆の事業を展開していく。全国の高校や自治体を回り、講演を行い、教育系のメディアに寄稿する。「リアルドラゴン桜」と呼ばれたのは、この頃からだ。

2018年、『東大読書』を出版。東大生が実践している読書法を、偏差値35から東大に受かった彼自身の視点で書き下ろした一冊は、ベストセラーとなり、シリーズ累計は50万部を突破した。

その『東大読書』を読んだ新潮社の編集者から、ある日、彼のもとに依頼が届く。「小説を書いてみませんか」。

小学6年生で、原稿用紙100枚のサッカー小説を書いた少年である。中学受験そっちのけで、日能研をサボり、ゲームセンターに通いながらも、家では机に向かって物語を編んでいた少年である。その少年の中に眠っていた「小説家になりたい」という夢が、『東大読書』を経由して、15年越しに掘り起こされた。

それでも僕は東大に合格したかった』。西岡さんの初小説である。まさか、あのとき原稿用紙に向かっていた小学生の趣味が、こんな形で職業として実現するとは、本人も思っていなかった。

「バカだったからこそ書けることがある」

小中学校で学年ビリ。偏差値35。中高一貫校で、高校に上がれるかを疑われた。その人が『東大読書』を書いた。もし彼が生まれつきの秀才で、開成や灘から一発で東大に受かっていたなら、本は書けなかった。

神童ではない目線で、内側から東大を語る

「『東大読書』を読んだ東大生から『当たり前のことを書いてるな』ってバカにされることがあるんです。それでもいい。それが自分の仕事だと思っています」

東大の頭のいい人にとっての「当たり前」が、日本中の多くの人にとっては当たり前ではない。その断絶を、両側から見て、両側の言葉で語れるのが、偏差値35から2浪して東大に上がった人間の特権である。彼は、その特権を最大限に使う仕事を、意識的に選んできた。

最新作『地頭力の正体』でも、彼は同じ立場から書いている。地頭がいいと言われる人が何をしているのか。地頭が悪いと言われた側から、それはどう見えるのか。「東大に行ってから東大を語る」のではなく、「東大に行けなかった人の目線で東大を語る」――それが、彼の仕事の一貫した姿勢である。

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