第1話の職場のシーンでは、誤って一般外国人の写真でクライアントのWebサイトを制作してしまった部下に対して「こんなん……ただのプライベートのメキシコ人の写真やないか、お前ぇ!」と笑い交じりに怒鳴り、「ほんまにもうぅ~アホ!」と泣き顔で立ち去る“津田節”が早くも見られた。
その豊かな表情を見ていると、三枚目として親しまれた若き日の西田敏行や武田鉄矢が脳裏をよぎる。そうかと思えば、未来の自分との初対面シーンはやり取りや視線が明らかにおかしい。しかし、その合成映像の粗ささえも“ドラマ撮影に奮闘する津田”というメタな面白さへと転化している。
「役柄としての喜介」と「芸人・津田」が重なり合うことで、ドラマとバラエティーの両方を見ているような二重の笑いが生まれている。そんな二度おいしい主人公が、ドラマ内に息づいているような初回だった。
“身近な”SFコメディーに定評
脚本を担当するのは、劇団「ヨーロッパ企画」を主宰する上田誠氏。『曲がれ!スプーン』や『サマータイムマシン・ブルース』などの名作を生み出し、直近では脚本を手掛けた映画『リライト』がNetflixとU-NEXTで配信され注目を浴びるヒットメーカーだ。
とくに時間を行ったり来たりする“身近な”SFコメディーに定評がある。例えば初期の代表作『サマータイムマシン・ブルース』は、ある大学のSF研究会とカメラクラブが共有する部室のエアコンをめぐる物語だ。
猛暑の中、部室にあるエアコンのリモコンが故障。旧型でリモコンがなければ冷房が利かない。すると、部員たちは、いつの間にかあったヘンテコなタイムマシンに気付き、壊れる前のリモコンを取ってくることを思いつくが、その行動が思わぬ事態を招く。
「とにかく冷房の利いた部屋で涼みたい」という欲望のためにタイムマシンが使われる滑稽さ。そして、その先に待ち受ける壮大な物語と痛快なバカバカしさが光る傑作だ。


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