高市早苗首相が決断した、食料品の消費税率を来年4月から2年間1%に引き下げるという減税方針。一連の自民党内の協議では、減税財源が未決定であることなどから、財政規律を重視する税制の専門家に加えて、石破茂前首相ら有力議員からも反対論が相次いだ。
しかし、8月3日に開かれた自民党の税制調査会などの合同会議では「衆院選の政権公約であり、党としても責任を果たすべきだ」という賛成意見が多数を占め、減税実現を前提とした「税調会長一任」が決まった。
自民党は5日までに党の方針の最高決定機関である総務会を開いて承認を取りつける方針で、方針決定時に反対派議員を退出させるなどの「自民党的対応」(党執行部)によって党議決定にこぎ着けるとの見方が広がっている。その場合、政府・与党は具体的な制度設計や農業・外食産業への支援策などの検討を急ぎ、秋の臨時国会に関連法案を提出することになる。
野党は臨時国会で「減税の可否」追及へ
一方、野党側は今回の与党の方針に反対姿勢を強めている。立憲民主党の水岡俊一代表は3日、国会内での記者会見で、超党派の社会保障国民会議では合意が得られなかったことを踏まえて、「各党の意見に思いを寄せることなく、高市首相が独断で決める形になっていることに憤りを覚える。減税がすぐ国民生活に寄与することは望めなくなってきた」と批判した。
すでに多くの野党幹部から「来年4月からの減税では当面の物価高対策にならない。まずは速やかな給付で対応すべきだ」との声が噴出。各党は今後、減税で見込まれる効果の有無などを追及する構えだ。
内閣支持率の下落が続く中、減税関連法案を審議する秋の臨時国会に向けて、高市首相の統率力や求心力が厳しく問われる状況が続きそうだ。

