では、政令指定都市の中でもどの区が下落率2%未満になるか。川崎市は川崎駅西口に近い幸区、武蔵小杉駅のある中原区、田園都市線の通る高津区になる。横浜市は横浜駅を中心とした西区・中区・神奈川区、港北ニュータウンを擁する都筑区のほか、青葉区・港北区が入る。さいたま市は浦和区と大宮区だけだ。千葉市・相模原市には都心から遠すぎて、そうした区は存在しない。
資産性を左右する「2つの法則」とは
では駅で言うと、下落率2%未満の多くの駅が当てはまる法則が2つある。1つは都心アクセスの時間の短さであり、もう1つはターミナル駅であることだ。前者は新幹線の停車駅がわかりやすい。首都圏では、東海道新幹線の新横浜駅であり、北の玄関口となった北陸・東北・上越新幹線が通る大宮駅である。大宮駅は資産性があるが、隣の上尾駅にはない。マンションは利便性重視なので、交通アクセスがよく、時短が実現できる駅のニーズが高く、選ばれやすいのは必定となる。
また、新幹線の駅には他路線が乗り入れてくるケースが新横浜駅では見られる。もともと通っていた横浜線は複線化されて列車本数が増加し、1985年には横浜市営地下鉄ブルーラインの駅も開業した。23年には相鉄新横浜線・東急新横浜線の駅が開業している。こうして駅の利便性が向上すると資産性も上がりやすい。
この法則性からリニア新駅である橋本の資産性が上がる可能性がある。しかし、料金が高く、停車本数が少ないとなると、東海道新幹線のこだま停車駅のように一定の周辺需要を満たすにとどまる可能性が高く、現段階では未知数と言わざるをえない。
1つ目の法則である都心アクセスの時間の短さから、急行停車駅は有利になりやすい。時間距離と言う意味では東海道線は東京駅から横浜駅まで26分であるがゆえに、横浜駅より都心側に位置する東神奈川駅や、横浜駅から接続するみなとみらい線、横浜市営地下鉄ブルーラインの横浜―阪東橋間は、資産性で優れた結果を残している。特に、みなとみらい線は全駅資産性が高い。後からできた湾岸の街は規模の大きなタワーが建ちやすく、居住者層が似かよる傾向が強く、資産性が保たれやすい条件がそろっている。

