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なぜ「わかりやすい動画教材」を見ても成績が伸びないのか…元海上自衛隊の数学教官が明かす「わかったつもり」の罠

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(写真:Mills/PIXTA)
  • 佐々木 淳 下関市立大学教養教職機構准教授
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また、近年のエビデンスを重視した本を見ると、海外の研究結果が、日本での検証がなされないまま紹介されていることもあります。そもそも、日本と海外では、教育環境や文化的背景が異なります。海外で成果が出た方法であっても、日本の教育環境や学習者の状況にそのまま当てはまるとは限りません。

私は、防衛省海上自衛隊で16年間、航空学生に数学を教えてきました。パイロット候補生たちは限られた勉強時間の中で、多くの専門知識を身につけなければなりません。そのため、教育現場では、科学的根拠や過去の教訓を徹底的に取り入れてきました。それでも、数学の試験のたびに、学生が脱落していく現実がありました。

その経験から私が痛感したのは、「エビデンスがあるだけで人の成績を上げられるほど勉強は甘くない」ということです。大切なのは、エビデンスの有無だけを見るのではなく、その方法が、自分の環境や状況に合っているのかを考えることです。

「わかりやすい」の裏側にある動画学習の落とし穴

例えばこのことは、いま多くの人が利用している動画学習にも当てはまります。今の時代、動画サイトを開けば、質の高い授業動画を視聴できます。わかりやすい解説を聞き、理解できたと感じることもあるでしょう。しかし、その満足感がそのまま成果につながっているのでしょうか。

動画学習の最大の落とし穴は、「理解した」という錯覚に陥りやすいことです。たとえ錯覚であったとしても「理解した」と思ったら、復習がおろそかになります。そして、試験の問題が解けなかった場合、「自分は頭が悪い……」と余計なことを考えて、心が折れてしまう可能性があります。

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